現在の住宅業界は、人手不足が慢性的な状態となっています。
ところが世の中の流れは「働き方改革が必須の時代」。
残業や休日出勤の削減をはじめ、人材確保、人材流出防止の面においても
働く環境の整備は必須事項となってまいりました。
また働き方の多様化により、正社員でなく働ける時間を有効活用という考えが増加しています。
更には、政府による女性活用推進が叫ばれ、
「すべての女性が輝く社会づくりを推進」という考えのもと、
ワークライフバランスなども推進される世の中になってきました。
女性進出というと、住宅業界においては設計やインテリアコーディネーダーなどの
専門職には以前より従事しておりますが、
最近は工事監督や大工・職人の世界にも広がっています。
しかし工事監督の仕事は、
品質管理、工程管理、原価管理、資材管理、産廃管理、労務管理、安全管理、
手続き管理、顧客管理など多種多様な仕事をこなさねばならないため、
高い専門性の知識が必要だと考えられてきました。企業側からすると、
建築を学んだ男性をしっかりと教育して
一人前にするという考え方が当たり前のようになっているのではないでしょうか?
このような住宅業界の工事監督業務に、
女性活躍の場をもっと進出できないか?
専門性がなくても働ける場を設けられないか?
といったことから、
工事監督業務を細分化し一部を他の方に任せる方法として、
住宅業界未経験の女性に「品質管理」をおこなう仕組みを取り入れている会社が出てきました。
業界未経験の女性の方にどうやって品質管理を行ってもらっているのでしょうか?
本当にできるのでしょうか?
疑問に思う方も多いと思います。
品質管理とは、決められた仕様の通りに施工ができているのかをチェックする業務です。
どの時点で何を調べるのか、どのようにチェックするのか、
写真の撮り方も決まっているなど、業務のやり方がきちんと決まっていれば誰でも出来るはずです。
これが「業務の標準化」です。一見複雑に見える住宅施工でも、
ほとんどは同じことの繰り返しに過ぎません。よって標準化がしやすいのがこの世界です。
ただし、この業務を円滑におこなうためのシステム・ツールも必要です。
いつどの段階で何をチェックするのかが一目瞭然で、
もし忘れている項目があってもきちんと知らせてくれる、
そのようなツールがあることで安心して品質管理ができるという側面も多分にあるようです。
しかし、このような業務の標準化やシステム・ツールといった仕組みが出来ても、
未経験の女性の方が「挑戦しよう」と思わないとできません。
その背景には、教育の仕方やフォロー体制、そして何よりも会社と業者との良い関係などが大きく影響します。
工事監督の人材採用が難しい、働き方改革を実現しないといけないなど、
人材に関する求められる環境が多様になってくる中、この仕組みはひとつの方法です。
これまで当たり前と思っていたことにおいても、違う視点から考えると新たな気づきがあります。
多くの課題を抱えている日常においても、そのような考え方をしてみるといいと思います。
なおこの女性品質管理については、11/22(金)にセミナーを開催します。
詳しくは住宅産業塾HPに載せておりますで、こちらをご覧ください。
https://www.jyutakujuku.com/seminer/support-project/