変わる営業
先日の月例研究会のテーマは営業力でした。
社会の変化、顧客の変化に伴い、「営業」にも変化が生じています。
特に、WEBやAIの進化は急ピッチで、必要な情報はWEB上に存在し、お客様はそれらの情報を集めればほとんどのことは分かり、契約までWEBで完結できる場面も多くなってきました。
もちろん住宅業界にも変化の波が押し寄せています。営業にも変化対応が求められています。
5月の月例実践研究会では、「強いベストセールスの構築」をテーマに、現在重視して取り組んでおられること、成果を出しておられることについて、実践発表を中心に開催いたしました。
変わらない初回接客の重要性
塾会員の皆様の見込み客発見数に対する契約率をうかがうと、おおよそ10~15%の間が多いようです。
これを少しでも向上させるべく「ベスセールスシステム」の構築・改善を各社で進められています。
その中でも、特に重視されているのが初回接客です。
以前より、住宅産業塾では初回面談2時間以上の接客を提唱していますが、その重要性はさらに高まっています。
その理由の一つは、最近のお客様の傾向にあります。
今のお客様は、広範囲の情報を効率的に仕入れることができるようになり、多くの情報をもとに事前調査しています。
WEBを中心にいろいろな媒体を調べ、情報を収集し自分の好みに合致するところがどこかを、それらの情報をもとにセレクトしています。
営業力を発揮する前提として、お客様への情報提供、いわばマーケティングの視点が重要になるのです。
そして、お客様はある程度候補を絞ったうえでアクションを起こしておられるため、そのアクションにはそれなりの覚悟があると考えられます。
そのため、アクションを起こされたお客様に対し、最初にどのような対応ができるか、そして何を伝え、感じていただくかが勝負の分かれ目となります。
多くの会員様が、初回接客時に自社の一番の強みを実感していただくために工夫をしておられます。
例えば、福岡の健康住宅様では、自社の一番の売りである「人」を感じてもらうために初回接客で本社のご案内をされ、自然な形で働いている「人」に直接目を向けていただくことを徹底しておられます。
また、自社の強みを誰もが間違いなく伝えられるよう、初回接客につかうプレゼン動画の制作に取り掛かっておられる会員様や、初回接客3時間のメニューを組んでいる会員様など、それぞれに初回接客のバージョンアップを図っておられます。
時代に合った強いベストセールスを
お客様が早い段階で会社の特長や想いに共感していただければ、次につなげていくことがスムーズになります。
エスコートホーム(ホームオーナー邸案内)、現場案内への誘導などを経て、共感から信頼へ気持ちを高めていただき、確実にステップに乗っていただくこと、それが王道となります。
お客様の減少が避けられない中、歩留まりを高めるためにも、王道を徹底し漏れをなくすことが重要になってきます。
また、ライフプランのタイミングも話題となりました。
これは客層によっても適切なタイミングは異なるようで、初回面談で行う方、次アポに資金計画イベント参加を提案する方などおられました。
FPが関与する場合、より豊かに暮らすための「底上げのトーク」を行ってもらうことが肝要という話もありました。
宿泊体験も話題となりました。
契約率を高めるためにはどのタイミングで行うのが良いかについて意見交換があり、ベストセールスステップに乗っていただいたお客様に、見聞きしてきたことが本当なのかを確かめていただき、自社への決め手の後押しのために、クロージング前に泊っていただくのが主流となっているようです。
その他、シンパ化と紹介受注へ向けた取り組み発表もありました。友の会制度、HO様向けにいろいろな企画を実行しておられる方、ポイント制を運用して成果を出すところなど、いろいろな工夫をお伺いすることができ、幅広く営業の実践状況を共有する場となりました。
お客様との接点を作るマーケティング活動、そして共感してくれたお客様を離さないないベストセールスシステムを構築すること、その中でも、まずは初回接客において提供する内容の充実と対応力を徹底強化すること、合わせて続く各ステップの仕組みを強化し確率を高めること。
さらにシンパ、紹介受注に向向けた仕組みをつくること。これらを推進し、強いベストセールスを構築してください。