玄関照明のイロハ② 玄関からの導線のひかり、じっくり考えた事ありますか?

 

 玄関に入ったら真っ暗。まずはスイッチを押してから。一見当たり前の光景で、なんら不思議ではありません。一昔前なら・・・。

 今は、玄関に入った瞬間に人感センサーで照明が簡単に点灯できるとても便利な機能スイッチがあります。ですが、あまり普及していません。事情は色々あると思いますが、一番多い理由は電気設備関連の提案をする人が圧倒的に少ないこと。設計士はそこまでやりきれないし、インテリアコーディネーターは電気関係に弱い(キチンと提案する方もいますが)。現場監督は取引先の電気工事店の都合を優先。単純に片切りスイッチをセンサー機能付に置き換えは簡単だが、センサーの親子は面倒だから、もう出来ないと言う。

 少し広い玄関や廊下と繋がっている場合、センサースイッチの親子機能を使うと生活導線がグッと快適になります。快適の裏返しはストレスが無いこと。スイッチの数が多ければ多いほど使われないスイッチが必ず出てきます。せっかく付けた照明も点灯する頻度は減り、暗い廊下を歩くことにいつの間にか慣れてしまう。少し不便でも、少し暗くても気にならなくなる。 このようなことにならないためにもセンサースイッチを上手に活用して、玄関からスタートした光の導線を考えましょう。それが出来たら、夜に家の中から外出するイメージも忘れずに。逆向きの導線も一緒に考えます。ポイントは、間取りの段階から回路計画を進め、イメージを作りをすること。住み手の動きを想像することで、目に入る鉛直面の空間も読み取り、そこに存在する素材と光の組み合わせを融合する。

 

 その結果、質の高いインテリア空間を初期の段階から提案することに繋がります。玄関から始まる導線のひかりとスイッチ計画は、インテリアの価値を上げるきっかけとなる最高のツールです。皆さんも是非玄関の光環境を考えて見ませんか?きっと良いヒントが見つかると思います。

照明計画、回路計画を考える習慣を身につけたいですね。