工務店・ビルダーが勝ち残るには、[戦略×商品×ビジネスシステム×徹底実践]の確立と、
常なるバージョンアップが大切である。
これからの厳しい競争世界では単なる精神論や無手勝流では勝ち残ることはできない。
工務店といえども構築する必要がある。
①工務店が勝ち残るには理念経営が大切である。
どんな住宅で役立ちをするのか?
CS・CDとES実現への思いと姿勢の明確化が重要で、この理念と現実対応の中で、どのようなビジネス展開をするかの戦略を組み立てねばならない。
開きたい道を明確にすることが商品・ビジネスシステム構築につながる。
②まず売るべき商品がなければ戦えない。
お客様がお金を出して購入されるものはすべて商品である。住宅が商品である以上「らしさ」を持ちたい。自然派住宅でも高断熱高気密住宅でも低価格住宅(ローコスト住宅)でも何でもよい。
誇りを持って提供できる商品なら最高である。
自信がなく心の中に偽りがあれば、お客様にもわかってしまう。
生活の術だけの商品ではいずれ破綻をきたすので、しっかり決め込む必要がある。
「商品なくして販売なし」である。
③商品があっても、お客様発見から引渡し・アフターまでのビジネスシステム(仕組みとやり方)がなければ戦えない。
工務店といえども住宅ビジネスでは、やるべきことをきちんとやらねばCSも利益も未来も確保できないものである。
商品と売り方が合っていなければ売れないし、適当に営業をやっていれば受注できるものではない。また良品質設計をしなければ、受注できない。
設計も自由にやればよいものではなく、着工前の正しい「完成設計図書」による引継ぎをしなければ、工事に重大な支障をきたすことになる。
また、工事においてもしっかり品質管理とお客様へのコミュニケーションをし、魅せる現場をつくらなければ、お客様に感動を与えることができず、紹介もいただけない。
自社の一番やりやすいビジネスシステムを組むことである。
お客様のCS・CDが実現できるものであれば最適である。お客様に対して、ⅰ会社・商品・営業マンの信頼構築のステップ、ⅱ住まいづくりの具体化(CS1)のステップ、ⅲ住まいづくりの実践(CS2)のステップがある。
営業・設計・工事がうまく連動しながら最高の仕事ができるようなシステムである必要がある。
お客様発見から
①現場案内、②お客様理解、③提案、④契約、⑤打合せ・確認、⑥着工、⑦施工、⑧報連相打、⑨引渡、⑩回収、⑪アフターサービス・保証、⑫満足(CD)、⑬囲い込み、⑭チームプレイ、⑮引継ぎができるように業務フローと仕事の内容を固めるべきである。
住宅ビジネスは営業から設計・工事・アフターへのリレー業務である。
このリレー、すなわちプロセスと引継ぎがうまくいかないと業務はうまく進まない。
でないと、言った、言わないのくだらない問題が発生するし、お客様にも大きな不安を与えることになる。
その結果として引渡し時にクレームや値引きが発生することになり、利益も信用も失うことになる。だから営業からアフターまでの業務の流れと引継ぎルールを明確にしておかなければならない。
またビジネスシステムは作ったから完全に動くものではないので、いつもチェック分析し、バージョンアップに努めなければならない。
そして、このビジネスシステムを実践することが競合に勝ち、お客様の感動実現につながるようにすることが大切である。
④商品がありビジネスシステムがあるだけでは成果は出ない。
徹底実践しなければ宝の持ち腐れになる。
いろいろな企業が素晴らしいビジネスシステムをつくることがあるが、つくることだけに喜びを感じているのではないかと思い間違えるぐらい実践していない。
つくってくたびれてしまったのか、難しすぎて実行できないのか、いずれであっても実行していない。
徹底実践しなければ成果は出ない。
もう少しの我慢で成果が出るという惜しい段階で放棄してしまうことが実に多い。
実行が中途半端で終われば成果は出ることはない。
実行力こそが財産であることをよく認識し、徹底実践してほしい。
「実行なくして成果なし」である。
(2017年2月25日 日本住宅新聞掲載)