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工務店の基本と重点戦略

 

勝ち残りの基本条件

 

地場工務店の勝ち残りの基本条件は次の通りである。

いずれ大幅に縮小するマーケットで勝ち残るには基本の徹底を図る必要がある。

 

①理念経営に徹する。

すべてはCS・ES実現を図ること。これなくしては発展なし。

 

②現場を展示場に、お客様を営業支援者に。

工務店は基本中の基本であるこのテーマの完全徹底が重要である。

 

③商品を磨くこと。

自己満足では売れない。

つくりたい住宅と、お客様が求める住宅が合えば売れる。

 

④営業力をつける。

営業マンがいない会社はあっても、営業がない会社はない。

「らしさ」特長を入魂の対応でお客様に提供できることが重要。

他社との競合をしない商品と売り方ができように工夫していくこと。

 

⑤設計力の強化

デザイン・性能に優れた設計提案ができるように最大の努力を払う必要がある。

お客様のコンセプト実現ができ、お客様にとって健康快適なプランで、

それが町並み向上に役立てるように設計力向上を図ること。

 

⑥工事力で安心実現

良品質施工は当然のことで、魅せる現場で顧客満足を実現すること。

お客様から、近隣からも評価される現場づくりが大切。

特命受注につながれば最高である。

 

⑦経営の明確化

経営の見える化に努め、常に改善・向上に努力することが大切。

 

 

住宅ビジネス重点戦略

重点戦略は[商品力×ビジネスシステム×徹底実践] の構築である。

徹底的に実践強化(進化・新化・深化)することが大切である。

 

具体的には

1、CS→CD→CTの実現~現場を商品に、お客様を営業支援者に。

工務店にはお客様と現場が財産である。信頼されるまで頑張ってほしい。

 

2、商品の「らしさ」を磨く。

工務店でも商品という考え方をもつことと、お客様が評価される魅力点は何かを徹底追及すること。買っていただけなければ倒産しかない。

ただ良い商品、良い会社だから成功するということはない。

売れなければ何にもならない。売る・売れる工夫が大切である。

 

3、「ベストセールスシステム」を構築し徹底実践する。

競合の中で如何に他社より秀でることができるか、売り方研究も真剣に取り組まねばならない。

ターゲットに合う商品か、またふさわしい売り方か?いつも考え続けることが大切である。

商品によって売り方が変わる。

 

4、「感動ビジネスシステム」を完全実行する~本気・実行・徹底・感動・らしさ。

工務店の最大の財産は現場とお客様にある。そのお客様を感動させ、ぜひ紹介したいといわれるようにしなければならない。

 

5、知恵を振り絞ったコストダウンを実行する。

積算・原価・発注システムを構築し、適正利益を得なければならない。

コストダウンに努め、それを付加価値力向上に使えると競争力が出る。

 

6、地域密着と顧客密着に徹する。

工務店は地場企業である。

地場とのかかわりを持ち、地場の発展に寄与できるようにすることが必要である。

その地場でお客様に評価され信頼されるようになること。

戦力が薄いのだから、地域に特化できた方が影響力がでる。

 

7、コミュニケーション活動の強化~情報の発信。

受注し、引き渡すまでは熱心であるが、

引き渡し後はとんとご無沙汰している工務店が多いが、これは自殺行為である。

お客様は入居が始まりである。

入居後の困りごとなどに即対応することは当たり前のことで、以降も心からのコミュニケーションが大切である。お客様の紹介や、評判、くちこみをいただくためにも真剣なコミュニケーションが大切である。

 

8、IT活用による経営効率化を図る。

内部はIT化で効率化を図る必要がある。

使用する機器が進化し、記録・計算・編集などITがなければ非常に効率が悪い。

営業・設計の場面、工事管理の場面、経理や管理の場面にIT活用は避けて通れない。

余裕を持ちお客様対応ではアナログ対応することである。

 

9、燃える集団に、人活経営を実践する~ベンチマーキングの実践。

会社の社員が燃えていなければ、お客様の幸福の城をつくることはできない。

働く人々が幸せにならなければ不可能のため、働く人々の満足・幸せのES実現を図る必要がある。人の活性化を図る人活経営が重要になる。

  


やることがたくさんあるが、決して焦らず、一つ一つ取り組んでほしい。

そして心して実践してほしい。

決してあきらめず。

腐らず。

負けずに取り組んでほしい。

努力は裏切らない。

必ず道は開ける。

 

(2017年3月25日 日本住宅新聞掲載)