①お客様を営業マンに
住宅は家族の幸福の城であり、住宅会社はそれを実現することが使命である。
お客様が限られた土地と資金で家族の幸福の城をつくろうとして、プロの住宅会社・職人にその夢を託す。どんな家に住みたいか、どんな暮らしを実現したいか、夢が一杯なのである。
その夢と期待をプロの住宅会社としてしっかりと受け止めて、熟慮し英知を込めて提案・設計し、良品質の住宅を施工するものである。
お客様は期待(CE)以下(CS<CE)であれば失望し、場合によってはクレームになる。
希望通り(CS=CE)であれば一応満足され、引渡しを受けられる。
お客様の期待以上(CS>CE)であれば大変喜ばれ、感動される。
英知を込めるということは、この感動を実現することである。
やることをやらねば絶対に感動はない。
やることの対応をまとめた
「もう一つのCS、カスタマーサービス(顧客対応)」を実践することである。
お客様が契約される時は満足されている。
その後の設計との詳細打合せで喜びと不安を感じ始められる。
きちんと提案し打合せをすれば問題はない。
しかし充分に打合せもせず、提案内容が悪ければ、心の中に不安感をもたれることになる。
そして施工に入った場合、連絡が悪かったり、現場状況が悪ければ、お客様は不安と心配がピークになる。後は嫌な雰囲気の引渡しか、引渡し拒否かクレームになる。
こんなことがあってはならない。
「CS実現の行動原則」にあるように、営業・設計・工事がチームとして、スクラムを組んで、心を込めて対応すればお客様は必ずわかる。
現場がきれいで、工期も守られ、残・手無し工事ゼロの引渡しを受ければ喜ばれるに決まっている。工事中に不安がないように、きちんと5~9回の立会い説明・確認を行い、週2回以上の連絡によるコミュニケーションをすれば、不安感も吹っ飛び素直に大喜びされる。
この大きな喜びが感動なのである。
この感動を見た場合、関与したすべての人々も感動することができる。
社員も職人もやり甲斐と充実感と存在感を味わうことができる。
これが自信になる。
これは企業側の誠意と努力の賜物である。
この感動があるからこそ信頼をされるのである。
信頼があるからこそ紹介もされるようになる。
この会社なら、この担当者なら任せても大丈夫だとして安心して紹介される。
またOBホームオーナー様のご案内の時にも強力に推薦していただける。
まさにお客様が営業マン(営業支援者)になった瞬間である。
紹介制度があるから紹介されるのではない。
満足(CS)し感動(CD)され、信頼(CT)されるからこそ紹介されるのである。
このことを決して忘れてはならない。
②第1・第2・第3の営業の結集を
お客様が感動される素晴らしい住宅を実現できれば、企業力による第1の営業が強化され、お客様が紹介や推薦をする第2の営業と、職人・協力業者による魅せる現場の第3の営業が確立される。
工務店の基本はこの第1・第2・第3の営業を統合結集した時に「強いトータル営業力」を発揮することができる。
これができたときには大手住宅会社も敵ではなくなる。
紹介・現場見て・口コミ・評判による無競合の特命受注が実現拡大するようになる。
住宅業は単なる建設業ではなく、「建設業+サービス業」なのである。
だからいつもお客様に顔を向けていなければならない。
お客様の満足がどの程度か、何が満足・感動で、何が不満なのかしっかり把握しておかなければならない。お客様の感動と信頼構築ができれば鬼に金棒である。
お客様を営業マン(営業支援者)にすることである。
(2017年4月25日 日本住宅新聞掲載)