1、お客様の理解と本音・願望把握
住宅はお客様が生命を担保にして求められる「家族の幸福の城」である。それも大変な高額である。
お客様が求められる住宅についていろいろ質問されたり、いろいろな要求が出てくるのは当たり前で、住宅会社はそれを真摯にしっかり受け止めねばならない。
お客様が求められるものを真に理解し、お客様の幸福の城をつくり、お客様と、地域の方に認知・歓迎されるよう努力しなければならない。
お客様の本音・願望を知らずして良い住宅を建てることはできない。
お客様の本音・願望は住宅を建てられる動機に始まり6つの内容がある。
これをしっかり理解・把握する必要がある。
なぜ住宅を建てられるのか?
この動機がすべての入り口である。
お客様が住宅を求められる条件や必然性が良くわかるものである。
この動機の理解・把握に始まり、
①家族構成
②予算
③時期
④願望実現・好み
⑤こだわり
⑥解決すべき問題点を理解・把握していく
①家族構成・目的をよく理解・把握する~家族構成
親などの同居、子供の年齢、暮らしの適合などの理解・把握をする。
②予算を理解・把握する~希望予算(自己資金、借り入れ計画、返済計画、)、予算の範囲、必要規模などを理解・把握する。
③時期を理解・把握する~入居時期などを把握・理解する。
④願望実現・好みの内容を理解・把握する~好み、プラン希望、趣味・暮らし充実、不満解消などを理解・把握する。
⑤こだわりを理解・把握する~好み、生活習慣、趣味、思い出などをよく理解・把握する。
⑥問題点をよく理解・把握する~敷地条件、不安や不満の内容、解決すべき条件などを理解・把握する。
そして企業側の知りたいことである競合、決定権者をも理解・把握する。
2、信頼関係の構築
動機と6つの内容はお客様の「幸福の城」をつくるのに絶対に理解・把握しておかねばならないものだが、これらをすべて簡単に知ることはできない。営業マンを含めて信頼できるかどうかにかかっている。
お客様にとって営業マンと住宅会社が信頼できるかどうかは重要な問題である。
信頼できない住宅会社や営業マンには絶対に本当のことをいわないものである。
時には嘘の断り(レターマンの法則~嘘の断り62%)をして営業マンをテストすることもある。
お客様にとって失敗しない住宅づくりの原則は、信頼できる企業選びに尽きるだけに、事前のチェックを十分にされるのは当然である。
今では事前にホームページで検索確認をされている。営業マンや住宅会社はそれをきちんと乗り越える力を持たなければならない。
信頼獲得には、絶対条件としてお客様との初回面談時の第一印象をクリアーすることである。第一印象は2分で決まる。
これが悪ければ商談は進まない。
そして「心を開くトーク」に始まり、お客様の声・ビデオ説明、現場案内(建築中・完成時)、OB客ホームオーナー様邸案内、敷地環境調査、ワークショップやショールームでの接客などが必要である。
何もなく、何もせずお客様の信頼をかち取ることはできない。
お客様の本音・願望の中で営業マンが理解・把握すべきテーマと、設計が理解・把握するべきテーマとがある。
ローコスト低価格住宅では営業マンがすべて一人で担当し対応しているが、一般の注文住宅では営業と設計の協力体制で対応しなければならない。
お客様の本音・願望が聞き出せればあとは簡単である。
本音・願望が聞き出せていないと、クロージングはできない。
無駄な作業や余計なことばかりすることになる。
何回も何回もプランをつくるが納得いくものができなかったり、資金計画がわからなければプランも的外れになる。また決定権者が誰かわからないと最後でどんでん返しになる。
いかに信頼していただくかが営業の重要ポイントである。
OBホームオーナー様からの紹介は、この信頼から始まり、最高の方法であることがわかる。
(2018年3月25日 日本住宅新聞掲載)