信頼を得、紹介や顧客創造の連鎖を構築する方法について掲載している本コラムですが、今回のテーマは「生涯顧客化」そして「シンパ化」です。
「建てる」から「暮らす」へ。引渡して終わり、でなくそこからがホームオーナー様との関係のスタートです。地場工務店・ビルダーの皆様には、暮らしに関連するニーズに応え、生涯にわたり末永く顧客としての信頼関係を構築することを目指してください。修理営繕からライフスタイルの変化対応に伴うリフォームリノベーションはもちろん、建て替えや住み替え、介護や息子さん娘さんの住宅建築等、様々なニーズが考えられます。住宅建設・リフォームを柱にしながら、中古流通、介護施設斡旋まで、暮らしに関わる周辺事業を展開し、生涯顧客化実現にチャレンジする企業もみられるようになりました。様々なニーズにどうこたえるか、という点が前提ですが、そのうえで生涯顧客化を実現するための重要なポイントを解説します。
まず、アフター制度をシステム化し、充実させることです。言われたら動くという受け身のアフターでなく、攻めのアフターでホームオーナーのニーズや不安を先取りし応えること。定期点検制度や長期保証制度などにより、多くの会社が取り組みを進めていることと思います。この点がしっかり整備されているかについては住宅会社選びの判断材料として、不安を解消する要素の一つとなっています。商品、価格などと共に建てた後の安心は、他社と比較されやすい分野でもあります。最近では、第三社のサービスを利用して、24時間駆けつけ対応などのサービスメニューを組み込む企業も見られるように、ここを重視する企業も数多くおられます。
そして、これを実行するためには顧客情報管理システムがしっかり整備されていること。アフター対応は特に人数が限られてます。極力効率的に成果を上げていかなければなりません。見込み客、契約客、ホームオーナー様まで、多くの情報を一元的に管理できることが望ましいですが、この分野のサービスの進化は著しく、何らかのシステムを導入されていると思います。
さらに、コミュニケーションの充実です。生涯顧客化を実現するか否かはこの点にかかっていると言っても過言ではありません。
情報誌・ニュースレターは発行していますか?情報誌は単にPRのために存在するのではありません。ホームオーナー様は、今つくっている家がどんなに進化しているか、お客様がどういった反応しているか、会社がどうなっているか、について、我々が想像している以上に興味を持っています。情報誌・ニュースレターはホームオーナー様にとっても貴重な情報源です。最新事情は情報誌などの媒体を使って発信を継続しましょう。暮らしやメンテナンスなど、暮らしに役立つ情報提供などもあわせてネタとなります。
また、オーナー会などを立ち上げ、会社とホームオーナー様同士が接点を持てる機会をつくるという動きも行っている企業は多いのではないでしょうか。家づくりに満足をしておられると、それをどこかで披露したい、他のオーナー様はどんな暮らしをしているかやり取りしたい、という気持ちが芽生えます。そういったコミュニケーションの場として、更に会社のリアルタイムな情報を提供する場、さらには紹介(制度)の告知や紹介を促す場、としても有効に機能しますので、効果的に運用している企業も目立っています。
引渡後1年の方がお集まりいただくBBQを開催したり、定期的なホームオーナー会を開催したり、毎年感謝祭を開催したりとやり方は様々ですが、自分たちも楽しみながら企画しもてなす、という点がコミュニケ―ションにおいて大事です。今はなかなかコロナ禍でたくさんの人を集められる機会を作ることができない点もありますが、コミュニケーションが良いと成果も満足度も向上しますので、オンラインも交え行ってください。
その他、盆暮れや誕生日を利用しHO様全邸定期訪問を実施しコミュニケーションを重視しニーズを引き出す努力をしている企業の事例などもあります。
建てて終わり、さらに新しいお客様を探す、というビジネスモデルは既に先が見えています。
地場工務店・ビルダーは、お客様と向き合いニーズに応え、信頼を得生涯顧客化にしていくことが必要です。お客様へのお役立ちを進化させ、ぜひ「生涯顧客化」を目指していただきたいと思います。
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