魅せる最高のプラン・デザインであること
プレゼンテーションは心を込めて徹底的に行う必要がある。第1回プレゼンで、お客様にこれなら建てたい、こんな家に住んでみたいと思わさなければならない。それには二つのことを配慮する必要がある。
①「お客様にとって最高のプラン・デザインであること。」
ヒヤリングで十分にお客様の願望実現・不満解消(コンセプト)の内容を聞いた。限られた資源(土地とお金)ではあるが、お客様が住みたい最高の家をご提案しなければならない。
敷地環境調査での配慮すべきポイントも十分に配慮し、隣地・隣家との関係も支障がないようにプラン配慮(敷地対応力)する。道路と敷地の関係でランドプランニングもしっかりやる必要がある。広い敷地であれば何でもできる。しかし、限られた敷地であるため門・塀・ガレージのとり方をうまくプランニングしないと、実に使いにくいものになる。
安全・快適・健康・効率(能率)・利便性のあるプランであることは必須である。
長く住む家のプランが動線や人間生活工学を考えたものでなければならない。お客様にとって本当に住みやすい家をプランニングする必要がある。線を引けばプランはできるが、これではいけない。
住みよいプランでなければならないのである。
また、住宅は美しくなければならない。建てた時だけでなく5年、10年、30年たっても美しいデザインである必要がある。デザインが悪いと街並みが貧弱になるのと、住む人が早く嫌になるので問題が多い。
デザインの良い住宅を見ると、気持ちが良いものである。もっとデザイン研究する必要がある。
時に予算が少ないためデザインはやむを得ないとしていることがあるが、これも姿勢を変える必要がある。意識と知識・知恵と感性のレベルの問題であり、予算が少なくても美しい住宅を建てる工夫・努力を怠ってはならない。
プレゼンの第1の条件は、お客様にとって住み良い、住みたいプラン・デザインの作成提案である。
是非住みたいと思っていただけるレベルまで極めてほしい。
納得していただけるまで、とことん打合せするべきである。
魅せるプレゼンで提案すること
②「プランニングされたものを美しく演出すること。魅せるレベルで表現すること」が大切である。
良いプラン・デザインでも、その表現の仕方で良くも悪くも見える。
これからのプレゼンは平面・立面図だけでは不十分で、必ずパースやその他をつけて実施しなければならない。それも必ずカラーであることが条件である。ただ注意をしなければならないのは、CADで描いたものだけではよくないということである。どこでもやっていることであり差別性がなく、絵も冷たくチャチに見えることである。
できれば手書きのパースを加えたり、心を込めたプレゼンにしてほしい。
表現するものや、内容や、提案用紙・サイズまで気を使う必要がある。書けばよいというものではない。
必ず競合がある(競合がないように事前の努力をするのだが)と思って、心を込めて一発勝負をするのである。内容もお客様がここまで考えてくれたのかと思っていただけるほど、びっしり満載にせねばならない。
プレゼンコンセプト(敷地環境条件とヒヤリングによる住まいづくりの重要ポイント)、敷地配置計画、平面・立面計画、外観パース・シーン、内観パース・シーンまたは鳥瞰図、内部イメージ、動線計画、家具収納計画~既存の物と新しい物、光と風の道の採光・通風計画などをカラフルに提案する必要がある。大半はデジタルを活用してもよいが、キーポイントは手描きカラーで表現してもらいたい。
できればこのプレゼンは大画面とかプロジェクターを使ってダイナミックに演出・説明してほしい。3D・VR・ウオークスルー・アニメーションなどを使って説明すると有効で、クロージング力が高まる。紙の資料はプレゼンが終わった後に渡せばよい。
第1回で若干修正が出る可能性があるが、このときも手を抜かず、2回目でほぼ確定してほしい。
確定できないのはすべて事前作業、特にヒヤリングに問題がある。
(2019年1月5日 日本住宅新聞掲載)