1、マネージの強化
マネージャ自身が訓練も受けず、素養も不足しているためマネージメント不足になる。
早急に工事管理の標準化・システム化を図り、帳票・フォーマットやチェックリストの整備をする必要がある。そして研修・トレーニングを行い、評価を徹底して行うことである。マネージャは自己研鑽に勤めマネージメント力を上げること、マネージの大切な「PDCAのマネージメントサイクルと問題解決手法」の徹底実践を図らねばならない。
2、監督業務の改革
これからは現場監督の仕事を品質管理とお客様対応に絞れるよう、また感動の施工ができ、CS監督になれるよう業務改革策を講じることが急務である。
① 監督業務体系の再設計・再構築→監督の仕事の明確化を行うこと。営業から設計・工事にいたる業務システムを見直し、再構築を行うこと。
② 積算基準の明確化と事前発注システムを構築すること。これができるだけで原価は3~5%位低減できる。それには完成した図面と完全な仕様書ができていなければならない。高収益の感動経営実現企業はこれを実践していることを知ってほしい。
③ 営業→設計→工事の引継ぎシステムの明確化、オプションの範囲と時期の明確化をはかり、責任を明確にする必要がある。事前の業務がよければ現場は極端に変わる。
④ 設計基準の確立、品質基準の明確化、検査システムの明確化とチェックリストによる完全実施が必要である。当然そこには標準施工詳細図(ディテール)を作成する必要がある。またマネージャは品質管理チェックリストを使って部下の品質管理のやり方を指導しなければならない。実際のやり方を現場で実践指導しなければ、現場監督に自己流で処理されることになるので、必ず実践・運用することが鍵であることを認識し、徹底して進めることである。
⑤ 資材デリバリーシ
ステムの構築と資材会社の巻き込みが大切である。監督が不足材を届けたり、片付けたりしているがこれでは職人の手元と同じで権威がない。もっと先行管理システムを構築して、流通業者を巻き込んで、資材運搬業務から監督を解放しなければならない。特に若い監督は職人になめられ資材の運搬係りに使われていことが多いが、改めなければならない。
⑥ 監督業務の標準化をはかり、バランスのよい仕事の仕方をしなければならない。現場監督は現場管理をするにあたって、いつ、どのタイミングの時に何回現場に行かなければならないのか、またその時に何を検査・確認するのかなども明確化しておく必要がある。
⑦ 手続きも簡素化と合理化をする必要がある。積算の明確化と発注システムの構築で業務を楽にする必要がある。これで監督業務の軽減化ができるものである。事前発注システムと工事完了届・自主検査の徹底をやれば請求書は必要がなくなる。これは監督業務を大きく改善できる。いずれにしろ諸手続きは見直し、簡素化する必要がある。
⑧ 評価システムを明確にして監督業務に張り合いをつけなければならない。やって当たり前ではなく、工事三大条件の達成や、CS・CD実現の評価や、現場周辺からの見込客の発見や、お客様からの紹介などをきちんと評価し報いねばならない。現場が「魅せる現場」になれば、強力な営業武器になることを強く認識してほしい。
しかし、何としても
実行実現する必要があるのは「完成した図面と完全な仕様書による事前発注」の実施である。これができれば住宅経営革命が起こると断言してもよい。
こういった業務改革
ができると監督の仕事は、
① 企業理念・ミッションの理解、
② CSに徹すること、お客様の理解に努め、
③ 接客心得をマスターし、
④ 品質管理を徹底する。工程別工種別品質管理と現場きれい・安全管理に徹する。
⑤ 顧客情報管理によるお客様対応を徹底し、立会い説明・確認の実施、報連相打・コミュニケーションの
徹底で、お客様の不安を除き、安心と喜びを感じていただく。
⑥ 万が一に発生する苦情に対して大迅速で対応し問題解決をする、などの業務に変わる。
CS・CD実現業務が中心となるのである。
(2019年 9月 25日 日本住宅新聞掲載)