1ディズニーは「おもてなし経営企業」
「自分の家にお客様がくれば掃除をしてスリッパを新しくして、どんな料理を出そうかと考えるでしょう。でも、まずは片付け・掃除です。それがおもてなしの心なのです」。
お客様を「おもてなし」するためにきれいに掃除をするという、それがディズニーです。
ディズニーの園内の芝生がいつも青々としているのも、裏方のキャストが枯れた芝生を毎日植え替えているからですが、これも現場をきれいにしていこうということ。つまり、おもてなしの心なのです。
ディズニーテーマパークでは、「SCSE」と呼んでいるおもてなしの行動基準があります。
一、Safety(安全)
二、Courtesy(礼儀正しさ)
三、Show(ショー)
四、Efficiency(効率)
2近隣トラブルの原因「現場がきたない」
家を建てて、お隣やご近所の人との付き合いが疎遠になったり、気まずくなったりするケースがあります。どんなことが原因かというと、多くが建築の「現場」にあるのです。
・とてもきたない現場で、工事期間中はご 近所にたいへん迷惑をかけた
・周辺道路も汚くて、毎日謝る日が続いた
・ゴミが臭いと苦情がきた
・工事中のホコリでご近所に迷惑をかけた
・たばこの吸殻をポイ捨てする職人さんがいて文句を言われた
・駐車違反の車に苦情がきた
家を建てると、こうした苦情も舞い込み、工事期間中はずーと肩身の
狭い思いをしながらすごすということもあるのです。
それだけで済めばいいのですが、ご近所関係が悪くなって
「新築しなければよかった……」ということにもなりかねません。
こうしたマナー違反は他の産業では考えられません。
これもお客様のための「おもてなし」の心がないからなのです。
3きれいな心があれば「現場はきれい」
現場がきれいかどうかは、その住宅会社の考えや姿勢(家づくりの哲学)
を映し出す鏡でもあるのです。社長から社員、現場で作業している職人に
いたるまで彼らの姿勢・考え方が現場に写しだされるのです。
お客様の身になって本気で家づくりをしていこう、おもてなしをしていこうと
心から思っている住宅会社であれば、現場は必ずきれいにしているはずなのです。
反対に、作業レベルの意識で、こなせばいいやとか、適当にやって早く工事を済ませようと思っていると、魂が入らず、心が汚れていますから現場も汚くなるのです。
きれいな心がカタチに表れたものが「現場きれい」なのです。
(2019年11月 25日 日本住宅新聞掲載)