これから、本ブログでは、新しく住宅産業塾で開発・提唱をはじめたアフターインサイドセールスシステムに関する重要業務改善項目について、一つ一つ解説をしてまいります。
第一回目は、「完成図書による事前発注」についてです。
これは文字通り、着工前に完成図書を完備し、それによる設計から工事の引継ぎ、職人・業者への事前発注を徹底することを意味します。
アフターインサイドセールスシステムは、引渡し後の顧客創造統合システムのことで、ポイントはお客様の信頼構築を仕組み化し営業支援者となっていただくためのシステムです。そのためにはまず「対応力」を向上させることが必要です。契約時~引渡し時段階では2件の紹介をいただくことを目標として掲げていますが、この段階における対応力強化について「完成図書による事前発注」は非常に重要な位置を占めています。
「完成図書による事前発注」は、実現できれば得られる効果が絶大であるため、住宅産業塾では長きにわたり提唱してきました。しかし、これを完遂できる企業は限られ、会員の皆様からも、「メリットは良くわかるけど」「やり方がわからない」「うちでは出来るわけがない」といった反応も耳にしてきました。それが、このところ大きな成果を上げた実践事例が話題となり、チャレンジする会員企業が増えてきました。
実践できれば
・品質・工期・原価が確定し・・・段取りが良くなる
・違算がなくなり・・・利益率が向上する
・残手直し工事ゼロの引き渡しが実現し・・・お客様満足・信頼を高められる
・打ち合わせが減り・・・監督の労働時間が減る、職人の生産性が向上する
・コストが落ちる
・監督に余裕ができ・・・顧客対応に力を注げる
といった成果がもたらされます。様々な業務改善の中でも「完成図書による事前発注」は非常に大きな成果を期待できる、ということについてはご理解いただけるのではないでしょうか。「働き方改革」「工期短縮」「利益向上」「ESの向上」「CSの向上」「競争力の向上」などにわたり、素晴らしい成果が期待できますので、工務店・ビルダーの皆様には、ぜひともお取り組みいただきたいと思います。
肝心なのは、これをどのように実現させるか、です。「完成図書による事前発注」を実現させる鍵は、営業・設計・工事各部門がそれぞれ目的・目標を共有し、やむをえない、仕方ないで終わらせず協力関係を構築しやり切ることにあります。これは、設計やICの力だけで実現できません。営業が、お客様への理解と協力を得、工事は最大限その効果を引き出すこと、が求められます。
特に、お客様にその趣旨に賛同し協力していただくために、営業は何を伝えるのか、という点がポイントです。不完全な図面で着工に入ることがミス・ロス・ムダの原因となり、ひいてはお客様にとっての不利益になること。完成図書により着工することで残手直し工事0の引き渡しができ工期を守り良い品質の住まいづくりができるため、結果としてお客様にとっての利益になること(本来、作る前に図面があるのが当たり前に思えますが、実際には、ほとんどの会社で行われていないこと。)を伝え、その趣旨を理解していただきましょう。完成図書を着工前に仕上げるためには、事前に全てを決めなければならないことをご理解して下されば、お客様もそのペースに合わせていただけるようになるでしょう。実践企業では、この点を徹底しお客様からの賛同も得られています。今では、それが一つの自社の「強み」としてお客様にも伝わっているようです。
先日、住宅産業塾会員向けに、100%実施企業を主役にした「完成図書による事前発注」オンラインBM勉強会を開催いたしました。60名以上の参加者がおられ、このテーマが注目されていることを実感しました。
100%実践するための苦労や取り組み方法、そして今後に向けての課題などを教えていただき、参加者にとっては大変参考になる内容でした。目指す目標に対し営業設計工事それぞれが納得し、互いが主体的に協力し合うことで100%実施が可能となり、さらには会社がチームとしてまとまり、全体に善の循環がもたらされていました。
いかがでしたでしょうか。というわけで、「アフターコロナ」時代に力強く成長発展する企業になるために、実現すべき業務改善の一つとして、
次回以降も、アフターインサイドセールスシステムに関わる各重要項目について、本ブログを通じて解説いたします。「完成図書による事前発注」をお伝えさせていただきました。
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