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順調組と苦戦組

1 マネージメント力強化を

マネージメントは管理であり、監理ではない。企業ミッションに基づき、明確で具体的な目標を設定(事行計画書作成)し、PDCAのマネージメントサイクルを回し、問題解決手法を実践し、目標を達成することである。強い企業はこのPDCAのマネージメントサイクルと問題解決手法の実践がうまいのである。

 

2 順調組と苦戦組

取り巻く環境が激しく変化している今、マネージメントが悪ければ確実に衰退していくことになる。正しい戦略と徹底した行動が勝敗を分ける。正しい戦略を組み立てる場合には優れたリーダーが必要であり、徹底した行動には強い実務執行責任者が必要である。戦略が中途半端であったり、仕事の仕組みや、スケジュール化が中途半端であったり、実践活動が中途半端であったり、分析・反省・還元・評価が中途半端であると、負けが確定的になる。マンネリ・言い訳からの脱皮、他責から自責への変換、マイナス思考・志向からプラス思考・志向への転換を図らねばならない。目標なき集団は烏合の衆で問題外である。

 

発展順調組と苦戦組には大きな差がある。WITHコロナの中でこれからますます差が開くようになる。

 

発展順調組は

①目標が明確で成長することに貪欲であり、

②好奇心が強く、素直な心で良いことをすぐ取り入れ実践する。

③失敗をおそれず、具体的にPDCAのマネージメントサイクルと問題解決手法を実践している。

④また情報の共有がありコミュニケーションを大切にしている。

⑤さらに「らしさ」の追求を行い、⑥社風がプラス発想のベンチマーキング社風になっている。このため「善の循環」が起こり、より強くなっていく。

 

苦戦組は逆に、①変えたい気はあるがそれが強くなく、また具体的でもない。②気づきも悪く、情報を知っても何も対応しない。③さらに悪いことは具体的に実行に移さないし、PDCAも問題解決手法も動かさず、旧態依然のままである。④情報の公開もなくコミュニケーションやベクトルも悪く、⑤当然のことながら「らしさ」もなく、⑥社風が言い訳とマンネリの停滞・衰退社風になっている。そのため「悪の循環」もしくは「停滞の循環」になり、さらに悪くなっていく。

 

「善の循環」の発展順調組が「CS・CD・CT」追求とベンチマーキングの実践を行っていくとさらに良くなっていく。「停滞・悪の循環」にある苦戦組は改善・改良と思い切った革新(破壊と創造)を行い、実行第一主義の社風に変換することが必要不可欠である。

 


3 最強経営体質の構築を

どんなことがあっても倒産しない企業になるべく、最強の経営体質構築に努力する必要がある。今は確実に利益を上げていき、現金(キャッシュ)も十分に蓄積できるようにしなければならない。現金がなければ黒字でも倒産することになる。

 

利益増大への戦略として「変える」「縮小・削減する」「整理する」を思い切って実施することが求められている。従来の企業体質や仕組みで戦え、継続的な発展が見える場合はまだしも、苦戦組であるならば徹底して利益が出る構造に変換しなければならない。変える、縮小する、整理するは生半可な心ではできない。一大決心をして変えることを断行しなければならない。

 

新たな利益増大体制を築く場合は、さらに新しく「仕組む」「仕掛ける」「徹底する」「継続する」ことが大切である。順調といっても少しでも油断すると「悪の循環」が始まるので、常に進歩向上の手を打っていく必要がある。

 

利益を稼げる最強の経営体質への変換の中で、理念・戦略に基づき①「らしさ」ある商品×ビジネスシステム×実践を革新し続けることと、②組織と社員と企業体質の革新を強い決意と実行で行い、③資金と資産の革新を行っていく必要がある。企業は自分で守るしかない。キャッシュフロー経営を実践して経営を安定させねばならない。

 

勝てるまで仕組んで、仕掛けて、徹底して実践し、継続することが大切である。その中で「善の循環」をもたらす住宅ビジネスの基本原則(CS実現)の徹底実現とベンチマーキングの実践を継続することである。

 

(2020年7月 25日 日本住宅新聞掲載)