1便利なIT・ICT
IT・ICT を活用して成果を上げている工務店が多くなっている。ITは業務の見える化と経営効率化と高付加価値化と競争力強化に役立つ。お客様、取引先、社員とモノ(商品・物件)と、行為・現象の相関関係づくりにも不可欠である。
コミュニケーションとしてお客様に対してはHP・SNSなどがあるが、問題は提供する情報の内容・質と新鮮さがポイントである。
お客様はパソコン・スマホを通じて事前に学習をし、予備知識をつけ、
ある程度自分の方向性を決めて好みの住宅会社を2~3社に絞るといわれている。 「らしさ」のある工務店にとってHP・SNSなどのWEBは省コストの最高のPRツールである。
HPやSNSやソフトやZOOMを使ってお施主様とのコミュニケーションを促進している工務店も多い。工事状況が閲覧できたり、双方の連絡をWEBで行ったりするものである。工務店からお施主様へ現場検査報告を兼ねてWEBで連絡しているものや、各種のイベントなどの情報告知にも使っている。
取引先・業者においてもCAD作成した図面を送信クリックするだけで瞬時に関係先に送信される。今まではプリントアウトして、コピーして、製本して、封筒につめて、切手を貼って送付する大変な作業をやっていたものである。それがITを活用することで一瞬に完了する。早さもコストも極端に違う。工事写真も一瞬にWEBで完了する。また会社と職人・協力業者との情報告知などの双方コミュニケーションもIT・WEBを活用することでスムーズになることが多い。
プレゼンも大きく変わってきている。パースや鳥瞰図の作成、内・外観の参考写真の取り込み、お客様が利用される家具や電気製品などのデジタル写真の取り込みなど、ものすごいスピードで進んでいる。またCG・3Dを使ってリアルに迫っているのもある。わかりやすいので大好評である。
顧客管理もITを利用したほうが効率的である。これからはHO客(ホームオーナー)を大切にしない企業は生き残れないので、引渡し後もきちんとフォローしなければならない。その時に役立つのがIT。お客様が建てられた建物の設計内容や仕様書、お客様の属性や、引渡し後のアフターやクレームの履歴なども克明に記録でき、それが後日、目的に合わせて検索ができ活用ができるのである。定期点検の時期別・地域別リストを作成するのも、リフォーム戦略にもターゲットを絞ってDMなどの案内も実に簡単にできる。お客様の問い合わせに対しても瞬時に内容が把握でき、スムーズな対応ができる。省時間で生産性も上げられる。
工事の業務管理にも多いに役立つ。見積、実行予算、発注、支払い、品質管理、工程管理、原価管理などの情報などもITがなくては時間がかかり、かつ間違いが起きやすく、大変効率も悪い。受注時・実行積算時・完成清算時の利益管理も個別原価台帳を作成すればすぐわかる。また発注と支払い管理もスムーズにでき、資金繰り表にも連動でき、経営がやりやすくなる。
2経営力強化に役立つIT・DX革命
経営管理をやりやすくするためにはデータベースの構築が必要である。データは事実の反映であり、しっかりと正確に抑え、きちんと記録しなければならない。この数値化されたデータからいろいろなことを読み取り経営に役立てていくことができる。受注管理、売上管理、利益管理、入金・支払管理等の経営管理に、営業のプロセス管理、設計の進行管理、工事の進捗管理、アフタサービスの予定・実績管理にも役立つ。また生産性や効率化のデータ把握も簡単にでき、問題点やアラーム現象が把握しやすくなり経営改善にも役立てることができる。
社内のコミュニケーションにも効果的である。ツールを活用すれば早いし、すぐ間違いなく全員に伝えることもできる。
5G時代のこれからはCXを実現し、DX革命を行わなければならないとされる。実務で適切なソフトを活用し、経営の強化を図る
ことや、WEB活用によるオンラインイベントなども強化していく必要がある。リアルだけでは通用しない時代になっている。
(2020年9月 25日 日本住宅新聞掲載)