世界で、日本で大きな問題ではあるが、ここではコロナ感染症については触れない。住宅業界がどう対応していくべきかについて触れていく。
1自粛化解除後のユーザーの動き
家づくりを計画した人は2年以内に家を建てる!の通説は生きている。今は問い合わせも増えているし、リアル面談の希望も増えている。6%~20%のお客様はコロナ時でも動く(コロナ心理と生活感心理)。今まさしくコロナバブルで活況を呈している。真面目に決めたいという濃度の高い顧客が多く、各社も順調な受注状況である。しかし心配なのは今年の後である。マーケットが極めて難しい減少衰退期に入る。コロナと減少需要に対応する必要がある。
① 変わる生活態様
・生活が大きく変わったことで、家族と時間や休息の時間が増えているようだが、家の中の不満やストレスも多くなっている。特に女性の方がストレスを感じている。
・不満としては、運動不足もある。
・睡眠時間が増えているようだが、睡眠の質の面からいうと、眠りが浅い・熟睡感がないといった傾向も一部増えている。これらは、テレワークをおこなっている人の方が影響を大きく受けている。
・また都市から地方への人の移動(地方暮らし、セカンドハウスなど)といった動きがある。
② 今後の提案のポイント
・内部空間のあり方、
ON・OFFの切り替え、ストレス低減などに影響し、住宅が「住職分離」から「住職融合」の時代へ
・特に既婚女性のストレスが増えているため、ひとりになれる場所の提案や、リラックスするための入浴設備や空間の提案、グリーンを適度に活用するといった提案も重要。
・在宅ワーク・学習によるストレス軽減も家づくりで解決していく必要があり、暮らし方の提案がより必要になる。
・在宅ワークは「個室派」「LD派」に分かれるが、仕事と日常の切り替えができるような配慮が必要。
・健康面の提案も重要になってくる。健康に関わることでは「睡眠の質」はとても重要な要素なので、寝室の空間の質・インテリア・照明などにもっと配慮した提案が求められる。
また健康面では運動不足というキーワードもあるため、体を動かせる大空間も提案のひとつになる。住宅メーカーでは大空間の商品が増えている。
2withコロナ時代の対応策
(1) 変革クライマックス破壊的イノベーションに本気で取り組む
・CXとDXの革新―CS・CD・CTの実現→CX実現へ、WEBとリアルの融合を
・働き方改革の積極的取り組み
・法改正、民法他対応
・人間力の強化(人財
の必要性)
(2) 非対面型行動とコミュニケーションの変容対応・強化ーWEB・デジタルの活用
・展示場の在り方も変わる(集客・商談・確認の場)
・消費者意識と行動の変容対応及び住宅マーケット変革への対応
・オンライン営業(発見・案内・説明・打合せ等)
WEB・オンライン+リアルの融合による対応が絶対条件
3Afterコロナ対策
1. 価値観共感→信頼獲得営業
体験者用のイベント(HO客訪問など)により、顧客の信頼を構築(ファン化)。モノを売るのではなく、理念を徹底的に伝える。
2. 業務フロー・内容の徹底
人間力を上げ心を込めた対応と例外を極力許さない
3. 顧客管理方法の確立―データベースを重視
HO様の中長期管理客に対してはニュースレター等による情報発信等と、管理客用のイベントの誘い込みでふれあい・情報提供。
③ 紹介受注の強化
これらも自然発生はありえない。全て仕掛けが必要。紹介制度を構築すると共に、コミュニティー(ホームオーナー会など)によるフォローが大切。暮らしを楽しむためのサービス(DIY、職人さんを活用したサポート)などが求められる。地域貢献を。HO様もうまく巻き込むことだ。
④ WEB・SNSの積極活用
いずれであろうが時代の変化に対応し、経営力強化を図る。働き方改革と商品力強化・新ビジネスモデル構築・それらの迅速な実践行動をする。そして目的・目標明確のPDCAの実践を行うことである。
(2020年10月 25日 日本住宅新聞掲載)