「一人のお客様は一人ではない」
皆さんは、家族、親戚、友人・知人、仕事先の知り合い、等。どのくらいの方々と接点がおありでしょうか?
この点について、オクスフォード大教授のロビン・ダンバーという方が、人間が円滑に安定的な社会関係を維持できる人数の認知的な上限は、およそ150人程度(ダンバー数)であると提唱しているそうです。もちろん個人差はあると思いますが、それだけ人は、多くの人たちと社会的な接点を持っている、ということです。そして、これは知り合いであり社会的接触を保持している数であり、交流が途絶えたり持続的社会関係を欠く相手は含まれません。ただし、この話は直接的な交流に留まらないSNSのようなウェブを通じた新たな交流の形が増えてきたことにより、さらにずっと多人数との接点を持つことができるようになりましたし、それだけ多くの接触をしているのが当たり前の世の中となりました。
そう考えていくと、「1人のお客様は1人ではない」、ということがイメージしやすいのではないでしょうか。昔、セールスの格言で「1人のお客様を失うことは、25人のお客様を失う」と言われてきたそうです。それが今では、25人どころか100人、またそれ以上の新たな見込み客となる可能性がある人たちとの接点を失わせてしまうことにもなりかねない、ということになります。
逆の言い方をすれば、1人のお客様を大切にし、信頼を得ることができれば、その縁は25人どころかそれよりもずっと多い数にまで広がる可能性を持っているということになります。その方たちは、紹介候補先ともなり得ますし、新しい仕事につながる可能性のある「人縁」です。
これを活かさない手はありません。
また、会社そしてお客様が住まわれる地域による繋がり、「地縁」を合わせれば、「縁」はどんどん広がり、そこから見込み客を沢山掘り起こすことができる、ということになります。だからこそ今、本気で目の前におられるお客様を大切にしましょう。そのためにCS(顧客満足)に取り組みましょう。顧客満足を信頼にまで高め、お客様から「この会社であれば紹介しても良い、紹介したい」と思っていただけるような関係を築いていきましょう。これを、住宅産業塾は第三の縁、「信縁(信頼の縁)」と呼び重視しています。「人縁」、「地縁」、そして「信縁」があわさることにより、その縁は飛躍的に拡大していきます。
住宅業界に限らず、お客様が一番の決め手としている情報は、企業から発せられる宣伝広告ではありません。購入動機、契約動機を探っていくと、結局知り合いからの紹介もしくは経験者からの情報、アドバイスが一番の動機となっていることは情報化社会がこれだけ高度化しても変わらりません。それどころか、多くの情報から信頼に足る情報を選別するのが難しくなってきた今、さらにその重要性が高まっています。特に、今ではSNSによる拡散の影響は多大です。お客様に信頼していただき、積極的にご自身の体験をそのSNSコミュニティーで発信していただけば、直接的な限られた知り合いだけでなくけた違いの数の接点づくりとなり得ます。
そうかんがえると、1人のお客様をきっかけとして何人もの見込み客を開発することは可能です。最低でも2人の新しい見込み客を開発することを目標に、ぜひ、CSをより徹底し、「縁」の拡大に取り組んでいただきたいと思います。
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