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住宅経営革命を!

1工務店の経営革命

完成した図面と完全な仕様書(完成図書)による事前発注

(連載第32回で述べているが重要なので再詳しく述べる)

 

完成図書による設計からの工事への引継ぎと、職人・業者への設計図書に基づく事前発注は現実には難しい。

 

しかしこれができたらどんなに素晴らしくなるかがわかっていないから本気で取り組まないのも事実。これができたらの効果を示す。

 

    品質・工期・原価が確定し良質になる→段取りが良くなる。

図面・内容が詳細まで確定して発注されているので何の迷いもなく施工できる。工程も同じく明確で前工程・後工程も定まっているため、安心して取り組める。業者も疑心暗鬼なく確定の工事内容と発注額がわかり、発注者も発注で原価が確定できる。品質・工期・原価も着工前に確定しているので、会社も職人も仕事が無茶苦茶やりやすくなる。

 

    違算がなくなる→利益率が向上する。

事前発注の徹底が基本であるが、着手後の追加変更工事の発注も追変工事着手時か、完了までに必ず発注することが肝である。これをやれば全工事の完了時には真の原価が確定する。住宅会社の多くはこれができていなくて、さらに追加変更工事においてもルールと対応が明確でなく、とりあえず工事をしてという姿勢で施工する。そのためクレームになったり利益の損失につながっている。

 

完成図書による事前発注をやれば原価は完了時には正確にわかるので、違算発生も内容も明確にわかる。工事完了後違算分析をやれば、逸失利益が手に取るようにわかる。その逸失利益の発生原因をつぶしていけば、利益率も大幅に改善される。

        

    残手直し工事0の引き渡しが実現

段取り良く仕事ができるため残手直し工事0の引き渡しが実現でき、かつ引き渡し後の

コミュニケ―ションがとりやすくなる。

 

施工内容も工程も明確なっているので、段取り良く施工ができる。関係する人々も気持ちよく仕事ができるので、工事は順調に進む。その結果監督にも余裕ができるので、お客様との立ち合い説明確認や、連絡や報告も順調に心を込めて実施することができる。コミュニケーションが取りやすくなるため、お客様の満足・信頼を高めることができる。当然クレーム0になり、その後のシンパ化につながっていく。

シンパ化が早い段階でできれば引き渡しまでに紹介を十分にいただける。強力な営業支援になる。

 

    打合せ時間が減少する→監督の労働時間が減る(1日2時間/1人)

工事内容が明確であるために事前に確認手配ができ、無駄な時間が減る。工事途中の内容未確定のために打合せを余儀なくされ、多くの時間を奪われているが、本当に無駄なことである。実際にこの仕組みで仕事をされている会社のデータで、監督の労働時間が減る(1日2時間/1人)。

また職人の打ち合わせ時間も減る→現場での実作業時間が増える

→工期が早くなるというメリットもある。

うまくいくと大工さんの所得アップにもつながる。

 

    コストが落ちる

会社からの発注内容が明確になり、余計な打合せ・待ち時間がなくなるので2~3%コストが下がる。

業者の方も準備ができるので2~3%コストが落ちる(前述の会社データ)。  

設計図書と発注がいい加減であるため、無駄な打ち合わせや確認作業が、コストを上げ、過重労働につながっているのである。

 

    監督に余裕ができ、顧客対応がスムーズにできる→監督の働き方改革が実現、楽しくなり笑顔の監督に!新規業者募集に役立つ

品質・工期が良くなり、お客様とのコミュニケーションが良くなれば、お客様の満足実現ができ、紹介をいただけるチャンスがぐんと増える。できれば契約から引き渡しまでの期間に紹介2棟の確保ができるようにしたいものである。監督の営業力になる。

 

完成図書による引継ぎと事前発注は何が何でもやりきってほしい。

 

できない理由は設計・ICにも積算にも明確にある。やむを得ない、仕方がないでは未来の戦いに負けることになる。これに挑戦し見事に問題解決と新システム定着をやり切っている会社がある。その会社には善の循環が起こっている。チーム力向上、顧客満足度向上、受注順調、未来が見えるである。

 


信頼の縁=信縁が地場CS工務店・ビルダーの原点になる

引き渡し後は安心・納得・信頼のコミュニケーション→アフターインサイドセールスシステムにつなげられる。

この信頼による縁の

拡大が無限連鎖ネットワークになり、シンパと紹介が増えて善の循環会社になる。喜ばれた顧客との関係性を進化させていけば、新しい需要開発と新戦力の創生につながっていき、未来の拡がりが実現できるのである。

 

また各地域で「暮らし実現」の理念共有のコラボ・アライアンスネットワークを構築していけば、地域の活性化に役立つことができる。次回詳しく述べる。

(2021年5月 25日 日本住宅新聞掲載)