1:熱烈なファンをつくること
AISSはCS企業の引き渡し後の顧客創造統合システムである。
引き渡しの時には顧客を熱烈なファン(シンパ)にしておく必要がある。できれば完成図書(完成した図面と完全な仕様書)による事前発注を行い、現場きれいと残手直し工事0の大満足の引き渡しによる熱烈ファン化ができるようにすべきである。完成図書による事前発注ができれば施工メンバーの品質・工期・対応の合目的・一体化によるチーム化が可能で、工事中も顧客の感動を呼び、感謝されることが可能になる。監督にも余裕ができ、顧客とのコミュニケーションがはかどり、顧客がもの(住宅)と対応・もてなしで大満足になる。これが顧客の熱烈ファン化を可能にし、引き渡しまでに紹介をいただけるようになる。CS工務店はこれができる。
2:入居後も熱烈ファン化継続を―コラボ活用
引き渡しで大感動を呼べれば引き渡し入居後のフォローはしやすい。義務のアフターサービスをすることは当然のことだが、一歩突っ込んだサービスコミュニケーションを行えば、顧客の熱烈ファン化は継続発展できる。
義務のアフターで費用負担だと考える工務店は未来がない。せっかくやるアフターを価値あるものに進化させることが重要である。アフターをやるのは必然であり、価値あるように、顧客に評価されるアフターサービスにするよう考え方を変えねばならない。
引き渡し後、顧客はライフスタイルの変化やもろもろの変化があり、暮らし実現のために、いろいろのものを購入したり、追加工事をしておられる。これを放置しておくのは実にもったいない。家のメンテナンスだけでなく、顧客の生活・資産価値向上に役立てるよう対応すべきである。
この価値向上には単独では対応が難しい。そのため理念共有できそうな地元企業とコラボをし、この追加価値向上にも積極的に取り組めばよいのである。これができれば顧客にとっては安心感があり、より充実感が増す。
工務店の満足された重要顧客であり、コラボ企業にとっては新規の有望な見込み客になる。当然なにがしかの紹介などの手数料もいただける。これを積極的なアフターサービスに充当すればよい。
このコラボアライアンスでは顧客の暮らし快適性向上と、利便性向上のアメニテイ・コンビニエンスサービスにつながるものでなければならない。このコラボのチームで地域の活性化に役立ちまでつながれば最高である。
3:アフターコミュニケーションの充実を
顧客が入居されての義務のアフターだけでは顧客の巻き込みはできない。やはり住宅会社としての本格的役立ちサービスの実施展開も必要である。
住宅会社が紹介獲得のために実施している各種施策があるが、これは当然充実・進化した内容で行う必要がある。顧客がつながっていたいと思われるイベントでありサービスでありたい。顧客を大切にしているというイメージを刷り込みたい。
4:顧客情報管理の充実
顧客を大切にするという心掛けが大切だが、何よりも顧客の情報をしっかり把握しデータ化していかねばならない。ところが大切な顧客のデータがきちんと管理されていない企業が多い。これでは十分な顧客対応やサービスができない。
顧客の情報をデジタル化し、いつでもきちんと把握して活用できるようにしなければならない。何が何でもデジタル化による顧客情報管理システムを構築してほしい。
コラボネットワークでもこの顧客情報管理システムが必要となる。
5:AISS担当のコンシェルジュ担当設置を
これからは絶対的に必要なアフターコンシェルジュの設置を図ってほしい。従来のアフターサービスとか、営業対応ではなく、一段上のコミュニケータが必要である。引き渡し後のいろいろなことにかかわる窓口としての役割である。暮らしアドバイザーであり、アフターアドバイザーであり、コラボ紹介のアドバイザーでもある。
簡単な仕事ではなく、エースを送り込むつもりであってほしい。
コンシェルジュの活躍により、顧客のリフオームやリノベーション、建て替えなどの発生と、ホームオーナー様からの紹介により各種受注が可能となる。
よくあるお金で釣るというものではなく真のCSをやる企業のみが実現できるものである。
6:シンパ・ユーザームーブメント化へ
熱烈なファン(シンパ)になっていただけると面白い展開になる。
感動喜びをシェアーしたい、伝えたいという思いが強く出てくので、この伝える場をつくるという活動が必要になる。このことから積極的に紹介やイベント参加やSNS投稿までやっていただける。建てた方が本音で話し、自分の家で語る、こんな強い営業はない。費用はそんなに掛からない。必要なのは企業の本当の役立ち行為である。なかにはこれが進んで外部の紹介営業マンになるというお客様も出てくる。在宅展示場であり、在宅営業マンになる新しいビジネスモデルの誕生である。
(2021年7月 25日 日本住宅新聞掲載)