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素晴らしい「魅せる現場コンテスト入賞社」

住宅産業塾主催の第9回「魅せる現場コンテスト」の入賞発表会を1月21日東京で開催した。コロナ禍の中でも積極的に参加された企業の挑戦は立派である。このコンテストのレベルは高く、入選するだけでも、その該当する地域では軽くトップクラスになる。

 

今回は奨励賞。優秀賞、最優秀賞、他個別の賞と、3社((株)丸尾建築(兵庫県揖保郡)、(株)山倉建設(香川県丸亀市)、健康住宅(株)(福岡県福岡市)が総合最優秀賞を受賞された。その中でも5年間の内、3回総合最優秀賞を獲得すると特別扱いの「殿堂企業」として認定されるが、2021年度は(株)丸尾建築と(株)山倉建設が見事にそれを果たされた。すごいことである。すでに7社が殿堂入りされていて、今回で計9社になる。2022年度も挑戦企業があり楽しみである。


 

 

現場を「現場きれい」から「魅せる現場」に!

これからの住宅需要の減少化時代の差別化、競争力強化に大きな影響を与えるのが性能・デザイン・対応・らしさと、現場美化=現場きれい=魅せる現場がある。お客様にも、ご近所の方にも、また通行人の方にも感動を与えることができる魅せる現場をつくっていかねばならない。

 

魅せる現場とは

①まず現場きれいであること。5S運動をし、徹底して現場をきれいにすること。本来は作業をして、その作業が終えるごとに清掃をすればよいのだが、清掃の習慣づけのために、1日5回の清掃をすると効果的である。職人が朝、現場到着時に現場周辺道路の清掃、10時・12時・15時の休憩前の作業したところの清掃、そして作業終了時に屋内・敷地・現場周辺の道路清掃の5回清掃をやると、本当に現場はきれいになる。もともと現場がきれいであれば1回の清掃時間は短時間で済む。汚いと電線コードや大工道具、ひいては資材が邪魔になり、それを片付けたりなどして清掃をしなければならず、時間がかるのは当然である。現場きれいは作業生産性を上げることにもつながる。

 

また周辺の道路を清掃するのは、いつも施工中に音や埃やゴミやマナーで近隣に迷惑をかけているため、お詫びの心と、ご協力に感謝の心をもち、それを具体的な形として道路清掃を行うものである。この近隣配慮は絶対にやらなければならない。施主としてのお客様がそこにお住みになる時に、工事業者が悪くてご近所に迷惑をかけたままでは、一生涯お客様の肩身が狭くなるもので申し訳なく許されないことである。現場きれいはプロとして当たり前のこととして対応してほしい。

②地場の工務店はご注文をいただくお客様の建設現場が商品であり展示場になるように、お客様やご近所の方や通行人の方々に「おお、きれいだな、素晴らしい現場だな」と評価していただけるように心を込めて施工・対応・演出をする必要がある。特に近隣や通行中の方々にも外から見てわかるように、家の中はもちろん、外部、敷地、トイレ、ゴミ箱、足場、養生に配慮しなければならない。需要創造につながる、見てわかる現場に、さらに一歩進んだ魅せる現場にすることが重要である。

 

「現場きれい」を実現するには5S運動は絶対不可欠の条件になっている。5Sとは整理・整頓・清掃・清潔・躾(習慣)である。すなわち「片付ける」ことが基本になる。配線と、大工道具と資材を床に置かないことが現場きれいの第一歩である。これができると、あとはきちんと掃除をすれば、お客様に感動を呼ぶくらいになる。まずは片づけることから始めてほしい。


魅せる現場になると効果は大きく信頼につながる。「たかが掃除、されど掃除である」ことを忘れず、心して現場を磨いていってほしい。現場きれいから、紹介や近隣からの見込み客発見につながる魅せる現場に進化させていってほしい。

 

現場をきれいにすると、担当する人々の心もきれいになる。現場の仕事が「作業→仕事→志事」になりお客様への対応も良くなり、すべての品質が向上する。現場きれいで品質が上がれば、お客様の感動実現ができるようになる。お客様が喜ばれ、その結果、会社の受注が増え業績も良くなり善の循環が始まる。良くなれば社員や働く人々への還元もできる。地場工務店・ビルダーとしては「現場を商品、お客様を営業支援者に」できるようになる。これが最高である。

(2022年2月25日 日本住宅新聞掲載)