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7月4日橋本興産㈱様魅せる現場BM視察会開催報告

パートナーと一体で築き上げてきた魅せる現場

岡山県の会員企業、橋本興産㈱様にて開催いたしました、魅せる現場BM視察会。

梅雨の合間でしたが、天候にも恵まれ、関東の会員様からもご参加いただいての開催となりました。

 

視察方法は、状況の異なる建築中現場を2件視察してから、会議室にてテーマ別に取り組み事例発表の流れで開催いたしました。

橋本興産㈱様は、入会後10年にわたり、現場に力を入れてこられました。魅せる現場コンテストにも以前から参加いただき、優秀賞受賞をされるなど活躍しておられましたが、コロナの影響や人事の関係など、色々な逆境もあったなかで昨年度総合最優秀賞を受賞されました。厚生労働省より奨励賞を受賞されるなど第三者からも広く評価され、中四国における魅せる現場有料く企業としてご活躍中です

 

足場は秀逸。各作業に工夫がみられる現場

厳しい環境を経験し実現した仕組みづくり・標準化

続いて、会議室に移動し取り組み事例発表となります。

住宅事業部長の太河原様、楊井様、そして現場監督の林様、そして協力会会長、大工の岡本様を中心に、テーマ別にお話しいただきました。

 

楊井さんは取り組み当初「BM、他社からの学びを合わせて沢山のノウハウをいただき、最初は会社の方針でやらされる現場きれいでした。協力パートナー会共栄会との取り組みがポイントとなりました。共栄会として優れた会員の視察会を行い、コンテストに参加、そして他会員からの学びとし現場スタンダード作成、進化塾の開催と進めていき、現場は見違えるように変わりました。2017年には最優秀賞受賞できるまでになりました。」

 

そこからも、沢山の試練がありました。

 

事業部長太河原様からのお話として「現場担当者の離職やコロナの影響等により人員が不足し、営業担当の自分が現場を担当せざるを得なくなりました。必然的に知識が不足している中でも現場を切り盛りしていかなければならない、そこで徹底して仕組みづくりを行ってきました。未経験で中途採用の林さんに、まずは品質管理を担当していただき、限られた条件ながらで現場についての分業体制づくりを行いました。この時期、コンテストは参加せずでしたが、進化塾や現場パトロール、社内コンテスト実施など、共栄会との実践は何とか継続させました。」

「そして2022年、魅せる現場への再挑戦を宣言。会員様へのバス視察会などの刺激を得ながら、昨年のコンテストで総合最優秀賞を受賞、今は殿堂入りを目標にさらに進化を目指しています。」

 

沢山の苦労がある中で欠かせなかったのが、異業種から女性で現場に入った林様の活躍です。

林様からは「右も左もわからない中で、まずは品質管理からスタートしました。最初は職人さんからも教えられ怒られたりしながらでしたが、少しずつ皆さんの力で完成していく経験に面白さを感じ、自分から職人さんに質問を沢山し続けました。職人さんも快く受け入れてくださり、少しずつ理解を深めていくことができました。昨年から現場監督として現場を任されるようになり、大きな責任を負うことになりましたが、職人さんに支えられ魅せる現場も進めていけています。」

 

林さんの未経験でも現場が好きで自分から共栄会の方々に入りこむ積極的な姿勢、それを受け入れられた共栄会の協力、特に会社の苦難の時期には、むしろ共栄会が主導して魅せる現場を実践してこられました。さらに社員が経験不足でも切り盛りできるように、仕組みづくりと標準化を徹底して進めてこられ、これらの努力が合わさった結果、限られた人材で高いレベルを実現しておられます。

 

後半は、太河原事業部長に現場の仕組みづくり、DXに関わる話をしていただきました。

「住宅産業塾入塾後、システム化・標準化の話は徹底して教えていただきました。特に、『現場監督をもっと陽が当たる立場にすべき』、そのために経営の考え方、システムを変えなければならない』という話はもっともであると思い、そこから監督業務の整理、品質管理システムの導入、そしてDX活用を行ってきました。未経験の林さんが、比較的短期間で品質管理から現場監督として活躍するまで成長できたのは、この取り組みが機能していたからでもあります。

さらに、限られた人材で工事管理を行っていくために、『現場進捗』『資材搬入』『お客様対応』など、大工自身が工程・労務・資材管理を行う体制づくり、魅せる現場づくりをつうじた安全管理体制、積算発注システムのDX化を行ってきました。

結果として、品質は品質管理システム、工程・原価・労務は現場管理特に大工による管理システム、そして安全管理は魅せる現場づくりを通じて、工事管理業務全体がシステム化・標準化されつつあります。ここにDXツールを合わせることで、業務改善・効率化を真に達成することが、残業短縮、ミスロスムダの削減、人手不足の解消を通じた生産性向上、CSの向上につながると考えています。」

 

苦難の時期があるからこそ、必要性から実態に即した仕組みづくり、そしてそれに合わせたDXツールの選定・活用とつながっています。

橋本興産㈱様がこの10年で築きあげてきた取り組みを見聞すれば、「自社ではまだ難しい、ここまではできない」とは言えなくなると思います。その意味でも、今回の視察会は特に人材不足に悩む企業、そして魅せる現場がなかなか実践し切れていない企業にとって大きな刺激となる視察会となりました。