【ひかりを操る】
ホテルのエントランス、雰囲気の良いレストラン、リラックスできる珈琲店、アレルショップまでも、
ひかりに拘りを持って空間演出を考え抜いている場所は意外と沢山あります。
ひかりは目に見えないからこそ心に響くこれが、私の照明設計の真髄。
レストランでちょっと贅沢なひとときを感じた時、そこには、巧みに操られた照明で空間を演出しています。
キャンドルが映えて(暗さ)、料理が美味しく見えて(演色)、相手の表情がわかり(配光)、窓の外の夜景がきれいに見える(グレアレス)。ここに時間の移ろいに合わせて明るさが変わる(調光)を加える事も照明設計の要素の一部です。
ひかりの効果は、このように
「なんか良いね。。。」
のひかりの裏付けを考え巧みにひかりを操る仕事をするのです。
いくら雰囲気が良くても、いくら料理が最高の味であっても、相手の顔も、料理も見えないんじゃ「NG」です。
大事にしなければならないのは空間の演出と同じくらい心を動かし心を操る照明効果を考え設計すること。
単に平面図や展開図から配灯計画をするだけではダメなんです。
そこにいる人が、どんな時間を過ごすのかを想像する。一秒一秒が記憶に残る断片として積み重なるように。
こう考えると照明の当て方次第で「素材」の持ち味を引き立てるように演出することを自然に考えることが出来るようになる。だから、照明は主役の素材を引き立てる脇役なのです。