好評連載 お客様を呼ぶブランディング講座②

  「ブランド化」のメリット

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前回は、ビジネスにおけるブランドを、「商品や企業の魅力(質)が顧客・消

費者に伝わり(量)、銘柄とつながって認知された状態」と定義しました。

また、魅力(質)×伝達(量)によってブランドの力は変化し、ブランドの実

態は顧客・消費者側にあることを述べました。

 

顧客・消費者の意識に良い印象として銘柄が留まったということは、そこから

何らかの行動を起こす可能性が高まります。例えば、ある人が家を建てようと

考えた時、建設会社の候補として真っ先に検討に上がるのは、その人の中でブ

ランドとしてある会社でしょう。そして次には、資料を請求したり、展示場や

見学会に出かけたりといった行動に出ます。これこそが、ブランド化の第一の

メリットです。こちらから売り込みに行かなくても、相手の方から求めて来て

くれる状態、つまり「売る」のではなく「売れる」状態になれるのです。付け

加えれば、もし同等の内容と価格の商品が競合しているとしたら、選ばれるの

はブランドが強い方です。ブランドが強ければ、競合がある環境においても売

れやすくなるのです。また、多少価格が高くても選んでもらえるということも

起こります。

 

価格とブランドの関係がよく分かる話に「豊予海峡の鯖」があります。大分県

の佐賀関で水揚げされる、身が引き締まり油のよく乗った豊予海峡の鯖がブラ

ンド魚の「関鯖」です。対岸の愛媛県佐田岬で水揚げされる「岬(はな)鯖」

は、同じ豊予海峡の鯖でありながら価格は関鯖の半分以下といいます。鯖自体

の美味しさは違うのでしょうか?いや、味は何も変わりません。そう、違うの

はブランドの強さだけなのです。このように、ブランドは実態を超えた価値を

も生み出します。それが、多少価格が高くても選んでもらえるということにつ

ながっていきます。この、価格を高く設定できるという点が、ブランド化の二

番目の大きなメリットです。価格競争に巻き込まれず、計画通りの利益が確保

できる可能性が高まるのです。またこのことは、価格ではなく価値で選ばれて

いるということですから、景気の波に売れ行きが左右されにくいというメリッ

トにもつながります。

 

先の第一のメリットでは、相手の方から求めて来てくれるという話が出ました

が、それはお客様だけではありません。会社のブランド化が進めば、人、お金、

情報など、あらゆるものが集まってきます。その中には、会社で働きたいとい

う人もいます。そうして多くの人が集まれば、良い人材を選べるようにもなり

ます。また、会社がブランドになれば、従業員もより誇りを持って活き活きと

働くことでしょう。

 

こうしてあらためてブランド化のメリットを上げていくときりがないほどあり、

それらが互いに相乗効果を発揮し合う関係にあることがわかります。つまり、

ブランドが強くなるにつれ、善の循環が回っていくのです。

 

ブランド化を推し進めるということは、工務店経営を安定・発展させる上で大

きな意義があります。