● クローズアップ
2月・月例研究会より
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2月の月例研究会では、複合新創業元年の事業戦略と題し、今、工務店・ビル
ダーが何をすべきかを明らかにすることを目的に開催いたしました。事前に調
査したアンケートでは、会員の皆様が重視しているテーマと実際に取り組んで
いるテーマとがリンクしない傾向があり、会社としての実力を高めるべく試行
錯誤されていることがわかりました。今回は、営業、設計、工事各テーマ別に
改善に取り組んでおられる3社の事例を発表していただき、情報を共有する形
になりました。
☆お客様のニーズ、不満願望を把握する
特に、新規客の獲得はますます難しくなることが明らかであり、限られたお客
様にどう接し確実に受注につなげていくか、を重視しなければなりません。群
馬県の大進建設様で改善に努められたのは、初回面談です。分析の結果、初回
面談時の、お客様の把握が不足しているため、エスコートホームや現場案内な
どの次アポが取れず、資金計画に流れてしまう傾向がありました。対策として、
問診票を作成されました。お客様の不安、現在の暮らしの困りごと、かなえた
いことに対する質問と対応する答えを事前に用意することで、それを聞き取っ
たかを正確に把握できるようにしました。その結果、次アポ取得率が高まり、
結果として良い効果が生まれたそうです。
そのためにはお客様の不安を取り除き、不満の解消と願望実現に努めることに
尽きますが、実際にそれを聞き出し、把握し、応えるという原理原則を徹底す
ることで、成果が表れた事例といえるでしょう。
☆設計力を高め、お客様の満足度を向上させる
プロとしてお客様にとっての最高を提案すること、そのためには設計力の強化
が必要です。岡山県の橋本興産㈱様では、自社の特長が明確でないために、結
果としてお客様主導になってしまい、商材やコストの面でも課題となっていま
した。そのため、「商品」の開発・見直しを行いました。地域・ターゲットを
明確にしたうえで、それに合わせた自社の「らしさ」を各デザインコンセプト
に合わせ開発。自由設計といえども自社主導、自社の特長を活かした改善を行
うことで、魅せる設計の実現に努めておられます。
☆魅せる現場を標準化し、そこから成果を生み出す
魅せる現場殿堂入りを果たされた鳥取県の寿ホームズ㈱様では、そのレベルの
標準化と向上、そして現場からの創客に力を入れておられます。現場からの創
客において最も重要なことは、コミュニケーションの質を高め、量を増やすこ
とです。アンケートやキャンペーン、そして現場清掃等を通じて近隣を足で回
る、話をすることに取り組みを進められ、現場監督もご近所修繕チラシを配布
するなどの実践を継続することで、監督自身が受注の重要性に目覚めるといっ
た効果が表れています。品質管理システム、週間進捗状況報告書の提出や現場
向上委員会の制度、など魅せる現場づくりの維持強化にも積極的に努めておら
れます。
現在では、特命受注率が73%にまで高まり、近隣から反響にもつながりつつあ
るようです。
今回、3社の取り組み事例を発表いただきました。それぞれに共通して言える
ことは「How to」というより地道な実践、地力の強化が成果として表れつつあ
るということです。変化対応をしなければならないという一方、原理原則は変
わりません。お客様に目を向け、何を期待し何を悩んでおられるか、それに対
して期待以上の応えを導くこと。それにより今でも十分成果があげられるとい
うことが改めて明らかになったといえるのではないでしょうか。
(文責:住宅産業塾 長井智史)
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