工務店が今考えるべきこと

 工務店強化大会開催ダイジェスト 

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6月の月例研究会は、工務店力強化大会としてそれぞれ特長のある企業に発表

していただく、ベンチマーキング実践事例研究会としておこないました。

営業、商品、設計、デザイン、現場など、各社どのようなことに取り組んでき

たのか、4社にお話いただきました。

 

 

◆現場の取り組みを徹底

 

横浜の工藤建設(株)様は、現場の取り組みを重視してこられ、最近では約15

%が現場を見ての受注となっているそうです(ほとんどのお客様が現場きれい

に好印象)。ここまで現場を徹底するにあたり、最初は職人などからの反発も

あったそうです。

 

まずは社員が自ら現場きれいなどの取り組みを行うことで、会社の本気度を示

すと共に、着工式を職人も参加することで、まとまりが出来て現場が良くなっ

てきました。そして、現場きれい運動として、社員を8班に分け、毎週2班ず

つでその取り組みを行うようになりました。

 

毎年住宅産業塾でおこなっている「魅せる現場コンテスト」において、優秀大

工を表彰しており、その大工が手本となって現場きれいのよい循環ができてき

たようです。また、モデルハウスがない営業スタイルなので、現場を営業が活

用するということに力をいれることで、現場を大切にする習慣もできてきまし

た。

 

 

◆商品の明確化と会社選び

 

福岡の健康住宅(株)様は、外断熱という性能を売りにしている家づくりをお

こなっておられ、「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エネナジー」で毎年表

彰されてきましたが、昨年は大賞を受賞されました。この性能の良さを売りに

するとともに、7つの健康を謳って住み心地を売りに営業展開されています。

 

また、会社を選んでいただくために社員教育にも熱心です。毎週おこなってお

られる社長講和の後の社内バーベキューは、昼の1時間で調理から片づけまで

おこないますが、毎回リーダーを決めてメニューから段取りまでの考えます。

これは段取りをどう進めていくか、そしてチームをどうのようにまとめていく

かという教育にもつながり、その様子もお客様に伝えて社風を感じていただい

ています。

 

また、電話があったら些細なことでも足を運んだり、お子様の誕生日の時には

お祝いを渡すなどの活動をすることで、お客様との距離が縮まり、紹介受注が

47%ほどある会社となっておられます。

 

 

◆設計力で勝負

 

東京の伊佐ホームズ(株)様は、設計を前面に押し出した会社です。社員の半

分は設計であり、社員旅行で良い建物を視に行ったり、毎年1回優秀作品を表

彰したりするなど設計に重きを置いておられ、伊佐ホームズの設計指針という

ものもつくり上げています。設計が主体で打ち合わせ回数も多いですので、細

かくサポートすることを徹底されています。それにはコミュニケーション力が

必要となってきます。

 

どちらかというと和風の建物が多く、お茶室の設計や障子を使った空間づくり

なども多くおこなっているそうです。設計コンセプトを全棟考え、外構も含め

て提案するといった取り組みもおこなっており、常に立体で考えるような方法

を取り入れています。

 

最近の取り組みとして、秩父の原木を購入し製材、それを使うという仕組みを

つくり上げ、国産材を使うという差別化を図っていかれるそうです。

 

 

◆設計力のボトムアップ

 

新潟の(株)ナレッジライフ様も設計力にこだわってこられました。新潟はハ

ウスメーカーの強い地域であり、この層を取り込むためにも自社のこだわりを

つくりあげてこられました。特に富裕層は、内部空間の取り方が違うと感じて

おられるそうです。

 

設計は、以前は外注でおこなってきましたが、今では内製化して設計スタンダ

ードにて設計上の考え方を示して共通認識を得られるようにされています。ま

た、完成した図面と完全な仕様書も出来るようになり、設計の業務が整ってき

ました。

 

提案においては女性目線が大事だと考え、女性誌なども見ながら流行や視点を

設計に活かすことをおこなっておられるそうです。今後は設計提案と実際つく

りあげた建物のアンバランスが無いようにしていくことを課題として取り組ん

でいくそうです。

 

 

◆ベンチマーキングの実践を!

 

会社には何らかの特長があります。今回の4社はそれぞれ違う分野で特長を持

っておられ、自分たちとは違う取り組みを知ることで参考になったのではない

でしょうか? 

 

これからは普通のことだけをしていては、取り残されていく可能性があります。

自社の強いところは何かを知り、それを徹底的に磨いていくことで「らしさ」

やブランドになっていきます。そのためには他社から学ぶことが大切です。

 

ベンチマーキングとは公式に他社の良いところを盗める機会です。このような

場では遠慮せずに貪欲に取り入れるほうが、早く自分のものにできます。それ

を取り入れて超えていったときに、今度はベンチマーキングされる側として恩

返ししてください。