住宅業界ばかり見ていると、他業種はどのように考えているのか? 気になる
こともあると思います。住宅産業塾では毎年1月に「新春セミナー」を開催し
ており、各分野の経営者の方からお話をいただいております。今回はその中か
らどのような話があったのかを振り返ってみます。
未来工業株式会社の山田相談役様は、全国には多数の会社がありますが、その
ほとんどは儲かってないということで、「儲かっていない会社の逆をやればい
い」という発想のもと、成果主義禁止、ノルマ禁止、年功序列、携帯禁止、残
業禁止などに取り組んだそうです。基本的には社員が働きやすい場を設けるこ
とであり、社員を喜ばせることはいくらでもあるのです。経営者は知恵を絞っ
て、社員が生き生き働くことができれば、その会社は伸びていきます。一般常
識などは意味がありません。自社が良いと思うことをおこなってください、と
のことでした。
千葉のいすみ鉄道株式会社の鳥塚社長様は、「既存の発想を打ち破る」「中央
からではなく徹底して地域からの視点で考える」「顧客が求めるものは何か考
える」といったように、「顧客の創造」に何をすべきなのか、ヒントを与えて
くれました。ローカル線ですが「乗って残そう運動」ではなく、"何を残したい
のだ"と問いかけ、「これまでのように列車の走る風景を守りたい」ということ
から、その風景を守ろうと地域を巻き込んだ活動が出てきました。また、列車
にムーミンのシールを貼っただけで、女性雑誌に「かわいい列車の旅」と特集
を組まれ、観光客がやって来て町はにぎわうようになりました。そして古い車
両を購入し国鉄時代を再現するなど、鉄道ファンの心をくすぐったり、訓練費
700万円を自己負担で素人が運転手の免許を取れるような企画を立て、お金をか
けず話題をつくり続けています。
元ディズニーリゾートの運営責任者をされておられた安孫子様には、ディズニ
-の考え方を教えていただきました。おもてなしを形にして、仕組み化をする
ことが大切であり、きちんと形にしなければ理解されません。例えば「赤ちゃ
んがハイハイしても大丈夫なほどきれいで安全である」などの共通認識をつく
り、会社全体でお客様を”おもてなし”する仕組みを整えて、活動していくこ
とが重要だとお話しいただきました。
業種は違っても、共通する部分もあります。ちょっとしたアイデアがヒントに
なることもあります。自社ならどうするか、お客様にとってどうなのか、様々
な視点から考え実践することが大切なのではないでしょうか? 是非知恵を絞
ってください。
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