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● クローズアップ

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   ~地域と共に未来を創造し新業態を開発するBM視察ツアー報告~

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先月の20~21日に開催した「地域と共に未来を創造し新業態を開発するBM

視察ツアー。滋賀の㈱木の家専門店谷口工務店様、愛知の㈱波多野工務店様に

て、顧客を創造する新しい取り組み実践例を視察した2日間となりました。視

察会で学んだ内容を簡単にご紹介します。

 

○20日 ㈱木の家専門店谷口工務店様視察会

 

㈱木の家専門店谷口工務店様は、今業界を超えて話題の企業となられました。

今年に入り、古民家をリノベーションし日本一のラグジュアリーホテルとして

大津百町ホテル講をオープンされました。その事業視察を中心に、地域とのコ

ラボレーションと将来、そして今まで取り組んでこられたことを交え、ご発表

いただきました。

 

谷口社長は、事業を引き継がれた当時から大工を憧れのある仕事にするという

熱い想いをお持ちでした。特に大工の地位が労働者とみなされている昨今、

大工“棟梁”を育成することが会社の発展だけでなく、全国の職人、特に大工

の地位向上にもつながるという大きな想いをお持ちでした。そして、社員教育

を重視する中で、社員にも高い感受性を求め、良いものを観、体験させること

を積極的に行うとともに、「美しいもの」そして「豊かな暮らし」を追求し続

けてこられました。

 

今ではさらに増税後をにらみ家具から雑貨、お庭への提案を進め、その拠点で

ある「MOV SQUARE」をオープンされました。ここを「豊かな暮らし」の“聖地”

として、それにかかわる情報を発信、求める方が自然と集まってくることを目

指しておられます。

 

谷口社長の提唱するみんなが喜ぶ家づくりには、社会そして地域が喜ぶ、とい

う要素は欠かせません。今回の視察メインテーマである大津百町ホテル構想も、

商店街の町家を再生を通じ大工が町を起こす。そして自社も儲かり信頼も得ら

れるという発想で本事業に取り組まれました。今ではホテルの話題を通じて自

社を知り求めてこられる方も増えているとのこと。「みんなが喜ぶ家づくり」

は着実に進化しています。

 

 

○21日 波多野工務店様BM視察会

 

魅せる現場コンテスト最優秀現場と事業では新たにDIYを切り口にした新業

態を開発されるなど、積極的な取り組みの成果を視察させていただきました。

 

・魅せる現場の視察

 

波多野工務店様は、住宅産業塾入塾3年で魅せる現場コンテストで最優秀賞を

受賞されました。他社に学び、現場スタンダードの構築から、魅せる部分へ

の追求まで、新たなチャレンジが続く現場を2件拝見させていただきましたが、

“魅せる”ための工夫は随所に見られました。結果として、お客様や近隣から

お褒めの言葉をいただいたり、現場からの受注も何件か生まれ、成果につなが

りつつあるそうです。波多野工務店様では、今年から業者会(シンパ塾)を発

足されたそうです。会の運営はアンケートで意見を聞いたり、議題を役員で決

定するなど、マンネリを駆逐するために運営も工夫されています。

 

・DIYを切り口に地域への役立ち

 

もともと㈱波多野工務店様は創業105年の老舗です。地域ではある程度の認知

のある企業でしたが、新しい顧客創造を進めていく中で、話題であるDIYに着

眼されました。

 

DIYPARKは会員登録制の施設で、その際に名簿を取得し、将来のリフォーム・

新築受注にもつなげていくという構想です。オープン当初は夏休みということ

もあり、子供向けの企画が中心でした。それも功を奏したのか、メニューがす

べて満員となり、2か月弱で数多くの来場者がありました。9月からは大人向け

のメニューもスタートし、順調に推移しているそうです。子育て真っ只中の世

代はまさに主力ターゲットでもあります。モノづくりの楽しさをDIYを通じて

地域の方々に知っていただき、それを通じてリフォーム・新築にも夢を持って

いただくという流れができるのではないでしょうか。

 

集客手法には各社悩みを抱えておられますが、多くの潜在顧客を集めることが

できたのは注目に値します。子供向けを通じたものやDIYに興味がある大人

向けのものまでターゲットに合わせた幅広い提案が可能であり、どのような成

果が今後生まれるか、期待です。その他、高齢者や単身者向けの新しい提案を

するなど、新たなチャレンジを多数行っている波多野工務店様は建築に関連す

るもので地域貢献を果たすというミッションを実現するために邁進されていま

す。

 

いかがでしょうか。両社ともに、地場工務店の勝ち残り戦略は徹底した地域へ

の役立ちにあることを示しておられました。「家づくり」から「暮らし」支援

へ、それが顧客の信頼を得るだけでなく、会社そして社員の支持にもつながり、

結果として会社が発展する一番の近道であることを学ぶことができました。

それぞれの地域でいかに役立つか、ぜひ考えてみていただきたいと思います。

             

 

                (文責:住宅産業塾事務局長 長井智史)