6月の月例経営研究会は、
住宅産業塾名誉会員で独自の価値を提供し活躍しておられる
第一建設㈱様(静岡県富士市)にて開催させていただきました。
本社にあるカフェ、ショップなど一連の施設内容の視察から、
社長の「顧客創造」をメインに実践してこられた内容を通じ、
徹底したブランド構築と組織づくりの発表に感銘を受けた方も多くおられました。
視察─ほどほど層を明確に意識したしつらえ
第一建設㈱様は本社内にカフェ(アルタナカフェ)を運営されています。
店内は住宅で使用する資材設備でコーディネートされ、
その一定の質感が、
第一建設様の求めるターゲットであるマニアックではなく程々を求めるターゲット層に高く支持されています。
程よい質感と合わせさりげなく見える打ち合わせ風景、
そこここに配置されている資料類によって、
自然に「住宅もやっている」ことに気づかせるよう工夫されていました。
また、カフェは独立して採算がとれるように運営が合理化され、
メニューも自前で開発しておられたことも注目点です。
隣接するショップ「ハナレアルタナ」と合わせ、
程良い暮らしのイメージが演出されていました。
変化対応の連続線上に今がある
その後、後藤社長に取り組みを発表していただきました。
「戦略ありきではなく、その時その時に対応してきた結果」
とお話しされるように、
第一建設様は時代の流れ、変化に積極的に対応し軌道修正を図られた結果が今の取り組みにつながっておられました。
飛び込み中心の時代から時代の流れに合わせ来店型の営業スタイルへ変化、
マンパワー重視の歩合給からチームプレーを重視した固定給への変化、
セミナーやワークショップなど暮らしにかかわるイベント集客、
そしてSNSを活用へと、
その時の事情に合わせ変化対応を続けてこられました。
運営されているアルタナカフェも、
モデルハウスを使ったイベントからドリンク提供、
そして有料化、
結果としてのカフェ運営へと、
状況に合わせた変化対応の積み重ねが現在の取り組みへとつながっていました。
潜在顧客を自前で育成
暮らしに関心のある人は多く、
そこに焦点を当てファンを増やしていくことが認知活動の原点です。
もちろん、今はWEBが大きな位置を占めていますが、
SNSはインスタグラムを中心に、
そしてブログは月200件と社員が率先して新鮮な情報をアップし続ける仕組みがあり、
そこから次のアクションにつなげておられます。
また、アクションを起こされたお客様に対しては、
会社主導でありながらお客様に合わせたも選択肢を提供するNEXT STEPの仕組みがあり、
歩留まりを高める独自の工夫をしておられました。
WEB、ツールは全て内製化していることも大きな強みになっています。
施設、そして人、発信物に至るまで一定の価値観が貫かれており、
それがブランドとして強い訴求力をもってターゲットの共感を獲得しておられます。
変化対応の積み重ねと構築された強固なブランド。
社長があまり表に出ず社員が中心になって動く組織力、
潜在顧客を自前で育成し成果へつなげていく仕組み、
それらの取り組みは成熟市場において成果を出し続けるために行っていく結果であり、
今回の視察会は参加者にとって大きな刺激となりました。