8月の月例経営研究会は、
成長が著しい(株)あいホーム様で開催させていただきました。
あいホーム様の経営理念は
「企業は人なり」
そして「お客様第一主義」。
これを真摯に追求し発展を遂げてこられたその取り組みを学ぶことができました。
魅せる現場視察
あいホーム様は、
昨年の住宅産業塾主催「魅せる現場コンテスト」で
優秀賞を受賞しておられます。
まずはその現場視察をさせていただきましたが、
パッと見で好印象を与える表現が優れ、
養生やトイレの囲い、
そして資材やごみの管理状況は見栄えが良く、
わかりやすい「きれいさ」が感じられました。
また、大工さんのマナーが極めて良かったことも好印象でした。
現場に対する努力がしっかりと伝わる現場といえるのではないでしょうか。
社長講話~積み上げてきた企業風土~
「企業は人なり」「お客様第一主義」という経営理念を徹底実践し続け、
やりきる企業風土を築いてこられたその秘訣を、伊藤社長にお話いただきました。
そのポイントは、以下の通りです。
①新人教育をその上司任せにせず会社全体で強化
新人でも一年目から現場の前線に立たせ、
営業は決めた月に受注、
設計は確認申請を出せるように、
工務は現場を一人でみられるよう会社全体で教育し、早期の戦力化を実現。
②会社全体のスキルアップをゲーム感覚で
スキル向上から資格取得、
さらに家族の健康に至るまで社内グランプリを企画し、
個人ではなく会社全体でレベルアップを図っておられます。
全員が参画し皆がその目標をクリアすると報奨金が出るなど、
ゲーム感覚で積極チャレンジができる風土を形成。
社長が重視しておられる視点の一つが「弱点克服」。
弱点を見つけたら積極的につぶして克服し、
逆に強みに変えていく、
という発想で企業・人の強化を続けてきた結果が
今の勢いにつながっているようです。
また、社員の意見を積極的に吸い上げる仕組みもあり、
上がってきた意見を反映し就業日数や長時間労働の抑制を実行に移されましたが、
それでも業績は向上し続けておられます。
まさに人を育て、
実践力・生産性を高めてきた努力が成果に結びついていることが表れていました。
IT化による生産性の向上
2018年の社長スローガンは
「すべては時間価値をどう高めるかがものをいう」
であったそうです。
現在の極めて高い生産性は、
人材育成と、徹底した業務改革
そしてIT化推進によってもたらされています。
特にIT化は、専務取締役の伊藤謙様が主導し推進。
図面の紙媒体からデータへ移管を皮切りに、
現場プロセスの平準化、
行動予定から業務管理の見える化を進めてこられました。
特に、弱点を可視化するために自動的に数字に落とし込み分かる化を徹底。
それを業務改善に役立てておられます。
ITツールを積極的に取り入れ、
社員・協力業者合わせ使いこなすまで辛抱強く取り組みを進めておられます。
現場管理の効率化
現場管理では、50件/年担当する監督もおられ、
効率化を徹底しておられます。
積算発注業務は購買部に一本化し、
購買部長がローテーションを組み、
ITツールで業種別のグループを組むなどコミュニケーションも効率化。
検査体制もアプリの活用やペーパーレス化を推進。
さらに、毎日文字を打たなくとも写真だけでも投稿するよう
ハードルを下げてツールの活用をルール化し、
職人・協力業者への全社導入に向け取り組んでおられます。
監督がCS対応等必要な業務に傾注できる体制を築き、
業務の質とツールの両面から業務効率を高める工夫をしておられます。
動画の効果的活用
動画を活用も特筆すべき点でしょう。
当日はオープニングムービーから、
社長の方針発表動画、
現場効率化に関わるもの、
さらにマニュアル等いろいろな場面で動画が放映され、
さらに理解しやすい内容となっていました。
30分話すより5分の動画のインパクトは強烈で、
伝えたいことがよりダイレクトに伝わるということで、
毎年の方針発表までも直接の講話から動画放映に切り替えられたそうです。
ここにも、良いと思ったら改善を恐れず、
止まらず進化し続ける姿勢を感じます。
まとめ
最後に、視察会中に放映された動画の中に
「変わらないでいることそのものが【最大の敵】」
という言葉がありました。
まさにそれを体現し、改善文化が花開いていました。
立ち止まらず進化向上を目指し、
さらに、社長が自ら率先垂範。
社長からのメッセージは社員にも十分に伝わり、
自己改善に努め、労働生産性に対しても高い意識を持たれていることが印象的でした。
人を大切にし、育成に傾注。
業務効率化を徹底して生産性を向上し、
さらにCSを強化する。
住宅会社が今後進むべき方向を目の当たりにしたような視察会でした